あん鍼灸院

香川県高松市木太町の脈診調氣鍼法はり専門 『あん鍼灸院』 です。
お悩みの「爪甲剥離症」「リウマチ・ヘバーデン結節症」「アトピー性皮膚炎・掌蹠膿疱症などの皮膚疾患」「花粉症などのアレルギー疾患」 「自然妊娠できない」「子宮内膜症・月経異常などの婦人疾患」「糖尿病」「緑内障などの眼疾患」「耳鳴り・嗅覚障害などの耳鼻疾患」「味覚障害・咳・喘息などの口舌咽喉疾患」 「顔面・筋などの麻痺・痙攣疾患」 「鬱・躁病・パニック障害」「潰瘍性大腸炎・過敏性腸症候群などの消化器疾患」「バセドウ・橋本病などの甲状腺疾患」「ネフローゼなどの泌尿器疾患」「関節疾患」「頭痛などの血管疾患」の《根本治癒》を目標に、安全で”痛くない”鍼術で『氣の調整』をします。当院のコンセプト、理念、治療方針をご覧下さい。
ご予約は電話:087-887-1466にどうぞ。
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『自然妊娠できない』【治験例まとめ2】|あん鍼灸院
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    あん鍼灸院で『自然妊娠できない』が治った【治験例】 をまとめます。

    あん鍼灸院で不妊症/排卵障害・卵管狭窄が治った【治験例15】

    あん鍼灸院は、患者様の病を”一時的に症状をとる”治療ではなく、しっかり”体質改善”をはかり、病が再発しないように根本治療することが最も大切なことと考えています。そのために鍼灸術をもって、体と病、および経絡の「陰陽虚実」を診て「気の調整」(患者様の気、すなわち、体表を流れるエネルギーの過不足を調整し、または気の働きを妨害する邪気を取り除き、そして、気の滞りを流すこと)をする治療をしています。
    ここでの治験例は、症状と治療経過を中心として詳細な治療方針は省略しています。なお、内容については個人情報保護法を遵法し、一部、割愛します。

    1. 主訴
    不妊症排卵障害・卵管狭窄

    2.患者様
    30歳代後半

    3.初診
    2012年9月(妊娠;2013年1月)

    4.現病歴と症状
    1)3年前、自然妊娠をしたが、7週目で流産した。心音がわかる成長まで至らなかった。
    2)翌年の1年間は妊娠ができず、病院で不妊治療を開始した。半年間、治療をした。両側卵管の詰まりがあると診断されている。その後、体外授精を3回、行ったが、妊娠することはできなかった。
    3)生理周期は24〜28日である。基礎体温曲線は正常である。病院では子宮内膜が厚くならないと言われている。
    4)翌年、病院を変更した。エコー検査から「子宮線筋症」の疑いがあると診断された。10代の頃、生理時に激しい腹痛があった。しかし、現在は生理、排卵時の痛みはない。
    5)排卵がうまく行われていない
    6)眼の充血が以前からある。
    7)冷え性、異常な発汗はない。
    8)瘀血がある
    病院での不妊治療と並行して、当院で鍼灸治療をしたいと来院されました。

    5.治療結果
    (1回目)脈診と腹診、および問診、切診等から体と病、および経絡の「陰陽虚実」を診て治療方針を決定。鍼で全身の経絡調整を行い、治療を開始。脈診でわかったことは、この患者様は、からだ全体に求心エネルギー(外から中心に働く力、陽のエネルギー)が作用している「体質」に変化していることです。その時期は、かなり以前に遡るものと思われます。器官や臓器には、その中心に向かって求心力(陽の力)が働いているので、それを治療することで、はじめて妊娠ができると判断しました。この患者様の場合、この原因による最大の症状は『排卵障害』『卵管狭窄』です。体外授精胚移殖の場合、これらの治療は無意味と考えてしまいがちですが、「体質」の変動によって多くの機能がうまく働かず、妊娠は難しい。
    (2回目)鍼治療は求心エネルギーを緩める治療を行った。また、自宅での灸治療を加えた。
    (3回目)継続治療。排卵があった。しかし、排卵し切れていないことが病院の検査で分かった。排卵は、卵胞が遠心エネルギー(中心から外に働く力、陰のエネルギー)によって破裂し卵子が外に飛び出すことです。求心エネルギーが働いている体質の場合、これがなかなかできないのです。
    (5回目)病院で採卵することになり、排卵誘発剤を注射しだした。疑いのある子宮線筋症について、病院ではそのまま放置しておくことになった。病院では治療の方法がない。鍼治療は、その原因を治すことによって根治することができる。しかし、できている筋腫は小さくならない。治療方針は、継続した。
    (7回目)継続治療。病院で採卵した。5個授精し胚盤胞で凍結保存した。今回、内膜の厚さは6mmで、服薬していないときの方が8mmと厚かった。今回、移植は中止した。
    (10回目)病院では服薬開始。妊娠後の食養を指導した。
    (11回目)病院に往き、胚移植の段取りを決めようとしていたが排卵していた。排卵がきちんとできる体質に変わってきた。内膜の厚さは、8.6mm。十分な絨毛組織の厚さと思う。移植は、次回の生理後に実施することになった。
    (12回目)瘀血が無くなった。さらに鍼灸治療の効果が現れてきた。胚移殖の準備が整った。
    (14回目)病院で体外授精胚移殖をした。内膜の厚さは移植5日前で8.2mm。
    (16回目)病院で妊娠判定があり、陽性であった。不安感がなくなっていると患者様が感じている。
    (17回目)6週目。胎嚢は2.2cmであった。
    (18回目)9週目。出血があった。絨毛内の出血であった。
    (19回目)出血が止まった。ようやく脈が良い方に変化した。本来は脈が変わり、体質が正常状態になった後、自然妊娠を目指したり人工授精や体外授精胚移植を行うと妊娠結果がすこぶる良くなる。当院はその方針ですが、この治験例では少し後になった。しかし、排卵障害や瘀血は治癒していたので、体質は、ほぼ改善され妊娠できたものと考える。卵管狭窄については病院で調べていないので、治癒しているか不明です。しかし、鍼灸での治療結果を診る限り、締まった卵管が緩み、卵が通りやすくなっていると推測します。
    (21回目)16週目。治療終了。出産予定日は今年9月である。

    以上

     

    あん鍼灸院で『不妊症/卵巣嚢腫・子宮内膜症』が治った【治験例16】《自然妊娠》

    1. 主訴
    不妊症 卵巣嚢腫 子宮内膜症

    2.患者様
    30歳代後半

    3.初診
    2012年11月(治癒・妊娠;2013年6月)

    4.現病歴と症状
    1)高校時代から生理のときには立っていられず、ひどいときにはよつばいになっていたほどの激しい生理痛があった。生理痛は、お腹の子宮付近のズーンとくる激痛で仕事もできないほどだった。これは20代も続き、3)で述べる第1子の妊娠まで続いた。第1子の誕生後、生理が始まると、また生理痛が起こりだした。
    2008年、卵巣内の子宮内膜症である「卵巣チョコレート嚢胞」が見つかり、病院で洗浄後、アルコール固定処理をした。

    2)2010年には、さらに卵巣嚢腫があると診断された。種類は皮様嚢腫であった。右側卵巣が5cmに、左側卵巣が7cmの大きさに腫脹していた。病院では腹腔鏡で両卵巣内層の嚢腫部分を摘出する手術を行った。現在、右側卵巣の大きさは3cm少しであるが、左側卵巣は、子宮に癒着して超音波検査で見えず、さらに機能が停止している。

    3)2010年の卵巣嚢腫手術後、ご主人の体質変化の原因もあって顕微体外授精胚移植を県外で行った。4回目の顕微体外授精胚移殖で成功し、地元で出産した。

    4)二人目の子供が欲しくて2012年、地元の病院で人工授精4回を行った。この時、ご主人の体質は改善していた。しかし、妊娠はできず、今後、人工授精と体外授精胚移植を行う予定になっている。
    そこで、病院での治療と並行して、鍼灸で根本治療をしたいと来院されました。

    5.治療結果
    (1回目)脈診と腹診、および問診等から体と病、および経絡の「陰陽虚実」を診て治療方針を決定。鍼で全身の経絡調整を行い、治療を開始。「卵巣チョコレート嚢胞」と「卵巣嚢腫」が症状としてあり、体質は大きく変動していた。両者を手術したけれども、患者様の体質はそのまま手術前の状態を引き継いでいた。これらをまず、治療しなければ妊娠はできないものと判断した。1回目の治療2日前に5回目の人工授精を行っている。
    (3回目)鍼治療は以下、同じ証(治療方針)で行う。自宅での灸治療を加えた。
    (4回目)継続治療。患者様に生理があった。しかし、生理痛は全くなかった。5回目の人工授精は妊娠に至らなかった。東洋医学の食養について説明した。
    (6回目)病院で再度、6回目の人工授精を実施した。尚、測定した腫瘍マーカーCA19-9(皮様嚢腫という卵巣嚢腫で高い数値が出るが、あくまで参考値である)は11であった。正常範囲内であった。
    (8回目)生理があった。6回目の人工授精も妊娠に至らなかった。生理の1、2日目は少し痛みがあった。
    (11回目)今周期(2月)も自然排卵があった。前周期の生理から9日目であった。生理時の痛みがなかった。驚いていた。鍼治療を受ける前は、生理の1、2日目は寝込んでいたぐらいだったが、今は1日目が、少し重だるいくらいである。
    (17回目)3月の生理では下腹部の生理痛が全くなくなった。症状の原因をあらわす脈の変動もなくなった。良好な結果である。鍼の治療方針を変更した。卵巣チョコレート嚢胞と卵巣嚢腫を引き起こした体質は、ほぼ緩解したものと考える。
    (19回目)病院で再度、7回目の人工授精を実施した。このときの血液検査では、腫瘍マーカーCA19-9は10で正常範囲内、CA125(卵巣がんの腫瘍マーカーだが、子宮内膜症で高い数値を示すことが多いため、補助診断値として用いられている)は数値を告げられていないが、正常範囲内とのことだった。
    (22回目)生理があった。人工授精は今回も妊娠に結びつかなかった。生理痛はやはり、全く無い。
    (27回目)今日、排卵した。排卵直後から基礎体温は37度から37.1度に上昇した。
    (30回目)排卵から35日目になるが、まだ生理が来ない。これまでにこのようなことはなかった。基礎体温は朝、36.4度、夕方には37度あった。
    (31回目)この日、病院で妊娠判定があり陽性であった。胎嚢が2cmに成長していた。”自然妊娠だった。ドクターは、『今まで顕微体外受精胚移植だったのに自然妊娠とは?』とびっくりしていたとのことでした。ご主人も「どうして自然妊娠できたのか、わからない?」と驚いていたとのこと。
    (32回目)9週目。母子手帳がもらえた。心臓の鼓動が見えた。つわり中で、寿司がおいしい。
    (33回目)10週目。つわりがある。赤ちゃんは3cmになった。
    (34回目)11週目、今回で治療を終了した。トキソプラズマの抗体検査を勧めた。これは病院では勧めていない。
    この後、お母様が別の病気で当院を訪れた。その際、お礼の言葉を頂いた。ありがたい。

    以上


    あん鍼灸院で『不妊症』が治った【治験例17】《自然妊娠》

    1. 主訴
    不妊症

    2.患者様
    30歳代後半

    3.初診
    2013年2月(自然妊娠;2013年8月)

    4.現病歴と症状
    1)病院で不妊治療(タイミング法)をして妊娠した。しかし、16週で流産となった。
    2)病院では、卵巣機能低下症と言われている。
    3)基礎体温は、低温期と高温期の二相に分かれるが、体温がばらつき、かつ、低温期が高めである。
    4)足が冷える。
    病院での不妊治療は中止している。当院の鍼灸治療で体質改善をしたいと来院されました。

    5.治療結果
    (1回目) 脈診と腹診、および問診等から体と病、経絡の「陰陽虚実」を診て治療方針を決定。鍼で全身経絡に気の調整を行い、治療を開始。
    (3回目)鍼治療は以下、同じ証(治療方針)で行う。自宅での灸治療を加えた。
    (6回目)早くも体質変化が取れて、脈が良好な方向に変化した。しかし、足の裏に汗がでて、冷たくなっている。治療方針を変更。
    (9回目)今、低温期にあたる。以前より低温期の基礎体温が高めだったが、基礎体温が下がってきた。良い方に向かっている。
    (10回目)足の裏の汗が出なくなっていた。
    (11回目)基礎体温が±0.1度の幅で推移できている。足の裏の発汗が止まったので、足の冷えがなくなっている。翌月に病院に行くとのことだったが、「病院での治療(タイミング法)は少し延期したらどうだろうか。条件が整ってきているので自然妊娠の可能性が今、高まっている。自然妊娠を目指したらどうか」と提案した。
    (12回目)基礎体温曲線が高温期にも安定している。この後、月経があった。
    (14回目)排卵が近い。3日後に排卵があった。
    (16回目)排卵から16日後、検査薬で陽性が出た。
    (17回目)病院での妊娠検査でも陽性だった。自然妊娠だった。
    (18回目)流産を示す脈変動がないので、7週目で鍼灸治療を終了した。
    このブログを書いている現在、19週目である。


    あん鍼灸院で『不妊症』が治った【治験例18

    1. 主訴
    不妊症

    2.患者様
    30歳代後半

    3.初診
    2012年12月(妊娠;2013年7月)

    4.現病歴と症状
    1)2年前から病院で不妊治療(タイミング法から体外授精移殖まで)をしていたが、妊娠できない。人工受精を5回、体外授精胚移殖を3回行った。今回、再度、体外授精胚移殖を行おうとしたが、子宮内膜が厚くならず、移殖を諦めた。分割卵を凍結保存している。
    2)基礎体温曲線は正常である。
    3)自然排卵も正常にある。
    病院での治療と並行して、当院で鍼灸治療をしたいと来院されました。

    5.治療結果
    (1回目) 脈診と腹診、および問診等から体と病、および経絡の「陰陽虚実」を診て治療方針を決定。鍼で全身の経絡調整を行い、治療を開始。
    (6回目)自宅での灸治療を加えた。病院では、今月中に胚移殖をすることに決定。このところ、手が温かいと他の人から、また、ドクターからも言われた。
    (7回目)患者様はご自身でいろいろと考えた結果、『これまでの体質が変わっていないのに、体外授精胚移殖をしてもどうか』と思うようになり、ドクターに「鍼灸治療をして2ヶ月後に胚移殖をしたい」と申し出たようだ。以降、鍼治療に専念する。
    (12回目)治療で問題となっている経絡の変動が緩解した。ここからは、気を充実させる治療方針に変更した。
    (17回目)病院での胚移殖をさらに1ヶ月間、延期した。鍼治療のあと、左の足首から足先にかけて3、4日間、ポーと温かい。
    (19回目)生理があったが、大きい卵胞が残っていた。その後、なくなった。
    (22回目)生理から9日目に、子宮内膜の厚さが8.5mmにもなった。患者様がドクターに「内膜が8.5mmにもなったのは薬によるものですか?」と問うと、「薬だけでは無理ですね」とのこと。この後、胚移殖をした。
    (24回目)病院での尿検査で陽性のラインがうっすらと出ていた。移殖から2週間目。
    (25回目)妊娠反応が陽性と病院で判定された。胎嚢の大きさは12.3mm。
    (26回目)心拍を確認できた。しかし、前回の検査から1週間後の胎嚢が16mmとあまり大きくなっていない。胎嚢は通常、1日に1mm程、大きくなるようだ。
    (27回目)病院で「順調と言われた」と嬉しそうに話す。胎嚢も20mmと大きくなって、胎児が10mmに成長した。8週目。
    (28回目)9週目。赤ちゃんの大きさは18.6mm。
    (31回目)12週目。赤ちゃんは手足をバタバタと動かしている。赤ちゃんは、頭から尻まで50mmに成長した。今回で治療終了とした。

    この患者様の場合、体外授精胚移殖が成功した一要因は、なかなか妊娠できない体質を鍼灸治療で妊娠できる状態に改善して、胚移殖を実施したことによる。このことを理解されて体質改善後に体外授精胚移殖をした患者様に、軍配が上がりました。


    あん鍼灸院で『不妊症』が治った【治験例19】

    1. 主訴
    不妊症

    2.患者様
    30歳代後半

    3.初診
    2013年2月(妊娠;2013年10月)

    4.現病歴と症状
    1)1年前から病院で不妊治療(タイミング法)をしている。6回、試みたが妊娠できない。
    2)病院で子宮筋腫の手術を行った。直径約4cmの筋腫が1個、他に約1cmの筋腫が3個、子宮外層にあった。子宮、卵管を圧迫していた大きい筋腫を切除した。
    3)基礎体温が不安定で、高温期が短い。さらに基礎体温が変動している。
    4)左卵巣と子宮が筋腫の手術後に癒着したようだ。左卵巣が子宮後側に癒着して、簡単には外れないと言われている。病院では、開腹によって空気が腹腔内に入った為に癒着が起こったと患者様に説明している。
    病院での治療と並行して、当院で不妊の鍼灸治療をしたいと来院されました。

    5.治療結果
    (1回目)病の陰陽を決め、脈診と腹診、および問診等から体、および経絡の「陰陽虚実」を診て治療方針を決定。腹診では肝経の診察部に硬結反応があった。これが取れるように鍼で全身の経絡調整を行い、治療を開始。子宮筋腫の治療をも含めている。ただ、短期間での筋腫の縮小は望めないが、筋腫を起こした体質を変化させる ことはできるだろう。それが不妊の治療に結びつく。
    (2回目)病院では左卵巣と子宮の癒着は、そのままでゆくとの説明があった。当院では、まず基礎体温を正常にすることを当面の目標にすることを患者様と話し合った。患者様は基礎体温を毎日、測定する。病症については、東洋医学の言葉で説明させて頂いた。
    (4回目)左足の裏がつっぱると訴えた。情報の一つにした。鍼治療は以下、同じ証(治療方針)で行う。自宅での灸治療を加えた。
    (6回目)高温期中の基礎体温曲線が改善されて安定してきた。病院ではこれまでに卵胞を3回程、検査している。左卵巣からのみ排卵して、右卵巣からは排卵をしていないことがわかった。右卵巣は生理が終わると卵が成長してゆくが、1週間程で成長が止まり消失することがわかっている。ところが、左卵巣と子宮は癒着して位置異常を呈している。しかし、左卵管采(卵巣が排出した卵を受け卵管に運ぶ器官)が左卵巣からの排卵を必ずしも受けられないとは言えないと思った。
    (9回目)基礎体温曲線は、これまで高温期が3〜4日続くのが精一杯だったが、今は10日間程続くようになった。体質が改善されてきたと感じた。
    (10回目)1回目の人工授精を病院で実施した。しかし、基礎体温が上がらず、後日、無排卵で卵巣に残存していることがわかった。鍼灸治療からみるとまだ、治療回数が不足している。
    (16回目)2回目の人工授精を病院で実施した。このときも左卵巣から排卵があった。左卵巣と子宮が癒着しているため、うまく排卵できているかどうかは分からなかった。
    (18回目)生理があった。
    (20回目)3回目の人工授精を実施。今回も左卵巣からの排卵だった。
    (23回目)妊娠の陽性反応が、市販の検査薬でも病院の尿検査でも出た。基礎体温は36.7度と高いまま保たれていた。施灸は中止した。左卵巣から排卵があり、それを左卵管采がきちんとキャッチし卵を卵管経由で子宮に届けたようだ。
    (24回目)7週目。病院の超音波診断で胎児は約1cm。心臓の鼓動が見えた。
    (25回目)8週目。妊娠2ヶ月は肝と胆の臓器の気が動き出す。つわりで頭痛と吐き気があった。
    (26回目)先週から下痢が起こっている。水様便である。ムカムカして食欲がない。治療方針を変更した。
    (27回目)12週目。前回の治療後、下痢は止まった。妊娠期間を5期に分けると1、2ヶ月目は肝と胆の気が動き出す。3、4ヶ月目は心と小腸の気が動き出す。今回は、心と小腸に気を送れるように治療を行った。お母さんに気を送り、赤ちゃんに気が届くようにするためである。今回にて治療を終了とした。この患者様には自然妊娠を目指して欲しかった。鍼灸師としての欲目である。出産予定日は今年7月である。


    あん鍼灸院で『不妊症/卵管閉塞』が治った【治験例20】《自然妊娠》

    1. 主訴
    不妊症卵管閉塞

    2.患者様
    30歳代前半

    3.初診
    2012年11月(妊娠;2014年1月)

    4.現病歴と症状
    1)結婚して2年になる。なかなか妊娠できない。病院での不妊治療はしていない。
    2)病院で造影検査したところ、右卵管が不通になっていた。左卵管は正常である。ここ4ヶ月間は、すべて右卵巣からの排卵である。妊娠は難しい。
    3)子宮や卵巣そのものに異常はない。周期は約30日である。
    4)足の冷えがある。足の四指がかなり反っている。
    当院で不妊の鍼灸治療をして「自然妊娠」を目指したいと来院されました。

    5.治療結果
    (1回目)病の陰陽を決め、脈診と腹診、および問診等から体、および経絡の「陰陽虚実」を診て治療方針を決定。まず第1の目標は右卵管の閉塞が取れるように、鍼で全身の経絡調整を行い、治療を開始。体の体質(経絡を流れる気の変動)の不調を治すことが、妊娠への近道である。
    (6回目)自宅での灸治療を加えた。この1月までの2ヶ月間、すべて右卵巣からの排卵であった。左卵巣からの排卵がない。基礎体温は問題ない。
    (8回目)2月の今日、病院で排卵状況を調べてもらった。その結果、初めて、左卵巣から昨日に排卵したとのことだった。6ヶ月ぶりの左卵巣からの排卵である。つまり、左卵管は正常なので自然妊娠が可能になったと思った。鍼治療は以下、同じ証(治療方針)で行う。
    (10回目)高温期中の基礎体温曲線は、高い体温(36.9度)が維持されている。
    (11回目)脈診すると、今回、急に脈が変わり体質改善されていた。早い体質改善だと感じた。これまでの治療方針を変更した。
    (12回目)ご主人のフーナーテストと併せて、右卵管の閉塞が改善されたかを検査する様、依頼した。
    (13回目)4月度は左卵巣から排卵していた。
    (18回目)6月度も左卵巣から排卵したようだ。5月度は左右不明。ご主人のフーナーテストは異常なし。
    (20回目)7月度は右卵巣から排卵したようだ。8月度は左右不明。右大腿に紫斑を見つけた。治療方針を変更した。紫斑は次のときには消失していた。
    (24回目)9月度は左卵巣から排卵。2月以降、左卵巣からも排卵するようになった。右卵管閉塞の改善については、まだ病院で検査ができていない。
    (26回目)10月度は右卵巣から排卵した。
    (30回目)12月度は右卵巣から排卵した。11月度の排卵は左右不明。このように左右の卵巣から排卵できるようになった。現在、高温期で37度ある。ところが、3月に転勤することになった。
    (31回目)病院へ行って検査をした。妊娠判定がでた。自然妊娠でした。施灸は中止した。42日目だった。
    (32回目)妊娠はしたものの、右卵管が閉塞しているという病院の治験が以前あったので、治療は終わっているが右卵巣からの排卵は子宮外妊娠などがあっては大変だと心配していた。しかし、右卵巣から排卵があり、それを右卵管采がきちんとキャッチし、卵を右卵管経由で子宮に届けたようだ。つまり、卵管検査はできていなかったが、右卵管の閉塞は改善されていたことが証明できた。これは、鍼灸術の得意とする体質改善、つまり、体の異常を根本から治すことができたということであ る。心臓の鼓動が見えた。
    (36回目)17週目。今回にて治療を終了した。この後、引っ越された。よくぞ間に合ったものだと患者様と話しました。

    この患者様は、自然妊娠を目指されました。右卵管が不通であったにもかかわらず、排卵は右卵巣からだけでした。しかし、右卵巣からも左卵巣からも排卵ができるように体質改善できて、さらには、右卵巣から排卵した卵が、閉塞しているとされた右卵管を通り授精し子宮に届いて着床し妊娠に到った治験例です。左右の卵巣から排卵できるようになり、かつ求心的な陽の力で押しつぶされ閉塞していた右卵管も通じて体質改善できたことは、鍼灸術の治療効果を証明できたと思います。出産予定日は今年9月です。


    あん鍼灸院で『不妊症』が治った【治験例21】《自然妊娠》

    1. 主訴
    不妊症

    2.患者様
    30歳代前半

    3.初診
    2014年1月(自然妊娠;2014年4月)

    4.現病歴と症状
    1)病院で不妊治療(タイミング法)を約1年間していたが、妊娠できなかった。次いで、人工授精を4回行ったが、それでも妊娠できなかった。
    2)生理周期は、35日から65日と長い。生理周期が長い時、その間、低温期は約50日間続き、高温期は約10日間で短い。基礎体温曲線は二相になっているが、高温期ではその曲線が山型を示し、すぐに下がる。低温期は36度位、高温期は36.6〜36.9度位である。
    3)病院では、超音波画像診断で左卵巣に卵巣チョコレート嚢胞(子宮内膜症)があると言われている。3〜4年前から排卵や生理時、左下腹部にチクチクする痛みが起こる。
    4)10年前から筋肉が引きつるような右側の腰痛がある。
    5)首の向きを変えた時、めまいが起こることがある。
    6)低血圧である。収縮期血圧90mmHg/拡張期血圧50mmHg
    7)手が冷たい。腰から下が冷えると訴える。
    当院で鍼灸治療をし、「自然妊娠」を目指したいと来院されました。

    5.治療結果
    (1回目) 脈診と腹診、および問診等から体と病、および経絡の「陰陽虚実」を診て治療方針を決定。鍼で全身の経絡調整を行い、治療を開始。
    (3回目)この2、3日間、めまいがあった。鍼治療は以下、同じ証(治療方針)で行う。
    (4回目)生理以降、低温期30日目である。体温が上がらない。健康診断では、血圧が低く収縮期血圧88mmHg/拡張期血圧47mmHgであった。自宅での灸治療を加えた。めまいがなくなっている。
    (6回目)継続治療。生理から42日目に漸く排卵があった。その後、基礎体温が36.6度から36.7度に安定してきた。
    (7回目)その後、ご自分でチェッカーを使い調べたところ妊娠反応が出た。排卵から14日目であった。当院で血圧を測定した。装置が違うが98/54mmHgであった。
    (10回目)病院で検査したところ、自然妊娠であった。8週目の計算になる。3〜4年前から左下腹部が痛かった。3軒の病院(内科と婦人科)に行ったが、異常なしと診断された。最近までチクチクと針で刺したような痛みで、揉むとさらに痛くなる。そのような痛みがずっとあった。左卵巣のチョコレート嚢胞(子宮内膜症)であったと思う。患者様は、その痛みが、今は全くなくなっているという。
    (11回目)9週目。つわりがなくなった。妊娠1、2ヶ月間は、赤ちゃんの「肝」(現代医学の肝臓)と「胆」(胆囊)の気(経絡を流れるエネルギー)が盛んになり、その機能が活発に動きだし内臓を形成してゆく。それでつわりが起こり、酸っぱいものが欲しくなる。肝は酸っぱいものを欲する。3、4ヶ月目は「心」(現代医学の 心臓)と「小腸」(小腸)の気が盛んになる。5、6ヶ月目には脾(膵臓)と胃(胃)の気が盛んになる。
    ところが、昨日から痰が出る。甘い体臭がする。これは、脾虚という経絡変動の症状です。脾虚は、脾の経絡と心の経絡に流れる気が共に少なくなる病症です。赤ちゃんの心臓と関係するので、治療しておくのが大切と考え、すぐに鍼で気を調整しました。
    (12回目)10 週目。前回の痰もなくなり、甘い体臭が消えていた。ただ、この体臭は、本人にも周りの家族にも臭いそのものが分からなかったようでした。この臭いは、分からない方が多いように感じます。同様に治療を行い、今回で終了した。最後に血圧を測定した。101/56mmHgであった。低血圧が気になりだしたら、鍼治療に再びいらっしゃいと伝えた。

    東洋医学は、大変、系統的な医術です。現在、患者様の体で起こっている種々の症状をバラバラに診て一つ一つを治そうと考えるのではなく、体と病気を系統的に診て、その根本治療の方法を導きだすシステム治療です。その概念は、宇宙から、そして地球上で生まれた生物は、すべて同じ作用を体内に受けており、病気はその作用(陰陽)が原因となって発生しているという考えです。


    あん鍼灸院で『不妊症』が治った【治験例22】《自然妊娠》

    1. 主訴
    不妊症

    2.患者様
    30歳代前半

    3.初診
    2013年10月(自然妊娠;2014年4月)

    4.現病歴と症状
    1)結婚して3年になる。病院で不妊治療(タイミング法)をしていたが、妊娠できなかった。次いで、人工授精を8回行ったが、それでも妊娠できなかった。
    2)さらに体外授精移殖を勧められ、採卵をしたが授精せず、また授精しても細胞分裂をせず成長しなかった。中には卵子がない空胞もあった。病院では未熟卵のためと説明があった。
    3)今では自然排卵しているか不明である。
    4)冷え逆上せがある。手や顔が熱くなる時、下半身が冷える。
    5)生理中、腰痛が起こる。
    6)内膜ポリープがあり、今年2月、病院で摘出手術をした。内膜ポリープの再発を心配している。
    7)生理が長く8日くらい続く。
    8)現在、採卵のためのホルモン療法で卵巣が腫脹している。ホルモン剤で強く刺激された卵巣内の残存卵胞が大きく成長しようとしている。そのため、再度、生理を起こすために投薬を受けていた(リセットというようです)。
    鍼灸で不妊の原因を根本治療をしたいと来院されました。

    5.治療結果
    (1回目) 翌年4月頃に、体外授精ではなく「自然妊娠」を目指したいという患者様の意思を確認した。 脈診と腹診、および問診等から体と病、および経絡の「陰陽虚実」を診て治療方針を決定。鍼で全身の経絡調整を行い、治療を開始。
    (4回目)基礎体温が低いままで当月は排卵がなかったようだ。今後、チェッカーで調べてゆく。鍼治療は以下、同じ証(治療方針)で行う。
    (5回目)生理があった。月経量が少ない。周期は24日。頭痛がある。基礎体温の上昇がなかった。
    (6回目)ずっと体温が低く、値がばらついている。
    (8回目)38日目、基礎体温は36.3〜36.4度で低い。
    (9回目)46日目、まだ生理が来ない。
    (10回目)53日目、まだ生理は来ていない。基礎体温が36.6度から36.95度まで上昇した。高温期に入った。治療は同じ治療方針である。
    (12回目)62日目、生理があった。前月は、生理がなかった。
    (14回目)同じ治療方針で続けている。2月の排卵があった。基礎体温が36.4度から36.7度まで上がった。その後、高温期は36.85〜37.2度に上昇した。
    (17回目)治療が1ヶ月、飛んだ。その間、病院に検査に行ったところ、胎嚢が見えた。初めての自然妊娠がであった。40日目のことである。今日で46日目。
    (18回目)心臓の心拍運動が病院で確認された。7週目である。
    (19回目)9 週目。赤ちゃんは21mm。つわりはなかった。妊娠1、2ヶ月間は、赤ちゃんの「肝」(現代医学の肝臓)と「胆」(胆囊)の気(経絡を流れるエネルギー) が盛んになり、その機能が活発に動きだし内臓を形成してゆく。それでつわりが起こり、酸っぱいものが欲しくなる。肝は酸っぱいものを欲する。3、4ヶ月目 は「心」(現代医学の心臓)と「小腸」の気が盛んになる。ほぼ9週目以降はこの期間にあたる。自然妊娠は心臓の機能形成に問題が起こりにくいと感じるが、 体外受精移殖はこの時期、9週目辺りで心停止が起こることがあるようだ。5、6ヶ月目には脾(膵臓)と胃の気が盛んになる。
    (24回目)14週目。基礎体温は36.75度。脈の異常がないことが確認できたので、本日で治療を終了した。
    この後、8ヶ月目で逆子になったので、一度、来院されました。逆子はほぼ、すべて1回の治療で改善します。心配はいりません。鍼と灸で対処します。

     

    この患者様は、『自然妊娠』をされました。ご本人もご家族もこの自然妊娠に驚いていました。東洋医学は、大変、系統的な医療です。現在、患者様の体で起こっている種々の症状をバラバラに診て一つ一つを治そうと考えるのではなく、体と病気、そして気の運行;経絡を系統的に診て、その根本治療の方法を導きだすシステム医療です。その概念は、宇宙から、そして地球上で生まれた生物は、すべて同じ作用(陰陽の作用)を体内に受けており、病気は陰陽の作用(求心的な力と遠心的な力)が原因となって発生しているという考えです。
      

    あん鍼灸院で『不妊症』が治った【治験例23】

    1. 主訴
    不妊症

    2.患者様
    30歳代前半

    3.初診
    2012年9月(体外授精移殖による妊娠;2013年7月)

    4.現病歴と症状
    1)病院で不妊治療(タイミング法と人工授精2回)を6年前から行っているが、妊娠できない。
    2)3年前から体外授精移殖を4回行った。その4回のうち、2回目に妊娠したが8週目で流産した。現在、病院に4個の受精卵を凍結保管している。
    3)移植する際、子宮内膜が厚くならない。また、卵胞の成長が遅いと言われている。
    4)汗が頭にパッと出ることがある。
    病院治療はしばらく休み、当院で鍼灸治療をして妊娠ができる体質にしたいと来院されました。

    5.治療結果
    (1回目) 脈診と腹診、および問診等から体と病、および十二経絡の「陰陽虚実」を診て治療方針を決定。鍼で全身の経絡調整を行い、治療を開始。よく体質改善と言われます。妊娠がなかなかできないのは、その原因となる「病因」が必ずあります。その病因を治すことが目標です。
    (9回目)汗がパッと出なくなった。鍼治療は以下、同じ証(治療方針)で行う。
    (16回目)継続治療。病院では翌2月に移殖をすることが決定した。
    (19回目)継続治療。先日、移殖。子宮内膜の厚さは7ミリであった。子宮内膜の厚さが薄い傾向にある。
    (20回目)今回の体外授精移殖では、残念ながら妊娠できなかった。継続治療。
    (29回目)生理があった。この5月は、基礎体温がきちんと低温期と高温期に分かれて2相を形成していた。低温期の体温は36.5度近辺、高温期のそれは37度であっ た。そろそろ次の移殖をしても良いと判断しました。脈は、変調している経絡が正常な状態に戻っていました。これを体質改善と言います。この後、6月に再度、移殖をすることになった。
    (31回目)病院で先日、移殖を行った。凍結をしていた8分割卵を使用したとのこと。子宮内膜厚は前回と同じ、7mmでした。
    (32回目)患者様が検査薬で調べたところ、妊娠陽性の反応がでた。基礎体温は37度である。
    (33回目)病院で血液検査をした。判定はプラスで着床していた。5週目であった。
    (34回目)6週目。心拍が見えた。
    (36回目)8週目。胎児は20ミリ。
    (37回目)10週目。胎児は順調に成長している。胎児は28ミリ。患者様の申し出により、今回で治療を終了した。

    「基礎体温」が患者様の状態を表すバロメーターです。従っ て、この基礎体温がきちんと低温期と高温期を構成し、2相状態になっていることが重要です。とかく、病院では、体外授精や人工授精の時にあまり基礎体温を考えていないように思います。ホルモン療法を行うので基礎体温は関係ないというドクターの声を聞いています。それでは、体のすべての機能が働いていない状態のまま、つまり、体が正常な状態にないまま移殖などを行うことになります。妊娠はなかなか難しいと思っています。まず、きちんと原因を治癒させ、基礎体温を低温期と高温期の2相にもってゆきましょう。それをまもりながら原因を取り除けば、必然と基礎体温は正常に戻ります。それが、最低必要です。
    また、当院では14週から16週までの治療をお勧めしています。それは、3、4ヶ月目で「心」(現代医学の 心臓)と「小腸」(小腸)の気が盛んになり、心臓が完成するからです。前の流産は8週目で心臓がきちんと形成できなかったことに寄るものです。従って、14週以上を目標に治療を続けられることが、良い結果を生むと考えます。

    翌年の6月に誕生したお子様と当院を訪れて頂きました。可愛い男の子でした。お名前を聞いたところ、正にご両親の今の気持ちを命名に書き込んだという素晴らしいお名前でした。


    あん鍼灸院で『不妊症』が治った【治験例24】

    1. 主訴
    不妊症

    2.患者様
    40歳

    3.初診
    2012年8月(体外授精移殖による妊娠;2013年10月)

    4.現病歴と症状
    1)結婚10年目だが、妊娠できない。病院で不妊治療(人工授精5回と体外授精移殖1回)を行ってきたが、妊娠できない。体外授精移殖では、5週目で胎嚢のみが確認された。
    2)子宮や卵巣に病症はない。
    3)自然排卵がある。
    4)基礎体温は低温期と高温期の二層に分かれ、正常である。
    5)肌肉が硬い。
    6)足母趾の爪が、爪基部から横溝が年輪のように付いて伸長している。
    当院で鍼灸治療をして妊娠ができる体質にしたいと来院されました。体質改善ができれば、体外受精移殖をしたい希望がある。この患者様は、特に大きい症状や病症はない。したがって、脈診からその体質を読み取り、体質改善してゆく必要がある。事実、妊娠には時間がかかりました。その一例です。

    5.治療結果
    (1回目) 脈診と腹診、および問診等から体と病、および十二経の「陰陽虚実」を診て治療方針を決定。鍼で全身の経絡調整を行い、治療を開始。よく体質改善と言われますが、妊娠がなかなかできないのは、その原因となる「病因」が必ずあります。その病因を治すことが目標です。3ヶ月後くらいに体外授精移殖をしたい希望がある。それ以外の周期は、自然妊娠を期待する。
    (6回目)病院検診では排卵直後で子宮内膜は10ミリあった。この患者様は足母趾の爪が、爪基部から横溝が年輪のように付いて伸長している。ここで、爪は体質を表すので、これを体質改善の指標にできないかと考えました。残念ながら、このときの写真がありません。
    (11回目)足母趾の爪に横溝が付いているが、基部から新しい奇麗な爪が上がってきている。その境目が爪全体の半分程の位置にある(写真)。体質が改善していると思う。

    (14回目)継続治療。10日前に病院で採卵をした。2個採卵でき、内1個は胚盤胞まで分割し冷凍保存している。
    (20回目)継続治療。翌日、病院で体外授精移殖(1)をした。足の爪は横溝のない奇麗な爪が成長し、上がっている。

    (22回目)今回の体外授精移殖では、残念ながら妊娠できなかった。妊娠の陽性反応がなかった。治療方針を変更した。
    (28回目)採卵した。3個、凍結保存できた。来々月に移殖をする予定。爪の段差が上まで伸びてきた。

    (30回目)継続治療。爪が改善していた。

    (32回目)病院で5日後、2回目の体外授精移殖(2)を行う(5月)。基礎体温は37度ある。
    (34回目)妊娠の陽性反応がでた。基礎体温は37.1度である。
    (36回目)病院で検査をした。胎嚢1.8cmで6週目である。心拍はまだ、見えない。
    (38回目)残念ながら、繋留流産だった。次回の移殖に向けて、治療を続けるが、治療方針は変えない。
    (54回目)10月、3回目の体外授精移殖(3)を行った。移殖当日と翌日の治療を行った。肌肉は柔らかくなり、お腹は弾力が出て、しっとり、ふっくらして体質は良い状態になっていた。
    (57回目)妊娠の陽性反応がでた。
    (58回目)心拍の確認ができた。6週目。胎嚢は14ミリ。
    (60回目)8週目。胎児は順調に成長している。胎児は8.3ミリ。
    (61回目)9週目。胎児は21.4ミリ。母子手帳を入手した。つわりがあり、酸っぱいものが欲しい。
    (63回目)12週目。つわりがおさまり、苦いコーヒーが欲しくなる。胎児47.6ミリ。
    (65回目)15週目。苦いものは欲しくなくなり、甘いものが欲しい。胎児の成長に合わせて欲しくなるものが順調に変わってきている。治療をここで終了した。

    妊娠1、2ヶ月目は、赤ちゃんの「」(現代医学の肝臓)と「」(胆囊)の気(経絡を流れるエネルギー)が盛んになり、その機能が活発に動きだし内臓を形成してゆく。母体はそれに応じて、赤ちゃんに気を送る。そのために母体の気が不足してつわりが起こり、酸っぱいものが欲しくなる。肝は酸っぱいものを欲する。
    3、4ヶ月目は「」(現代医学の心臓)と「小腸」の気が盛んになる。ほぼ9週目以降はこの期間にあたる。自然妊娠は心臓の機能形成に問題が起こりにくいが、体外受精移殖はこの時期、9週目辺りで心停止が起こることがあるようだ。
    5、6ヶ月目には「(膵臓)」と「」の気が盛んになる。
    7、8ヶ月目は「」と「大腸」の気が盛んになる。
    9、10ヶ月目は「」と「膀胱」の気が盛んになる。母体は、赤ちゃんに多くの気を送るので気が不足し浮腫む。しかし、鍼をして母体に気を注ぎ込むと、母体の気が充実して浮腫などが解消する。このように、胎児の成長と母体の変化は一致する。
    また、当院では14週から16週までの治療をお勧めしています。それは、3、4ヶ月目で「」(現代医学の心臓)と「小腸」の気が盛んになり、心臓が完成するからです。従って、14週以上を目標に治療を続けられることが、良い結果を生むと考えます。

    この後、4ヶ月後、31週目で逆子になったとのことで来院されました。逆子は1回の治療で元の状態に戻りました。通常、鍼と施灸で直ぐ戻ります。安心してください。

    身体全体の「気・血・水」を統括するネットワークである「経絡」の機能が働いていない状態のまま、つまり、体が正常な状態にないまま移殖などを行うと妊娠はなかなか難しいと思っています。まず、 きちんと原因を治癒させることが、最低必要です。

    (追伸)翌年の7月に誕生したお子様のお写真を頂きました。可愛い女の子でした。お母様に似ていると思いました。


    あん鍼灸院で『不妊症/子宮内膜症、卵巣嚢腫』が治った【治験例25】

    1. 主訴
    不妊症子宮内膜症(卵巣チョコレート嚢胞)、卵巣嚢腫

    2.患者様
    41歳

    3.初診
    2012年11月(体外授精移殖による妊娠;2014年3月)

    4.現病歴と症状
    1)14年前、左卵巣チョコレート嚢胞(子宮内膜症)が見つかった。当時、3cm位だった卵巣は、現在、6〜7cmになっている。子宮内膜細胞からの出血が貯まっている。しかし、痛みはない。同じ卵巣に卵巣嚢腫もあった。
    2)7年前、子宮筋腫(子宮線筋症)が見つかった。筋腫は10cmのものが1個、および小さい筋腫がたくさんあった。左寄りの子宮筋層内にあった。腹部が腫れてきたので、昨年の春、10cm位の筋腫を手術で摘出した。手術前にはめまいが良く起こっていた。起き上がろうとすると天井がぐるぐると回っていた。
    3)2ヶ月前、病院で不妊治療(体外授精移殖1回)を行ったが、妊娠できなかった。
    4)基礎体温は、体外授精移植以来、不調である。高温期が生理の後、すぐ始まった。
    5)歩行時、足の裏に違和感があった。
    6)冷え性がある。
    7)瘀血がある。大変、痛い。
    当院で鍼灸治療をして妊娠ができる体質にしたいと来院されました。体質改善ができれば、体外受精移殖をしたい希望がある。脈診からその体質を読み取り、体質改善してゆく必要がある。

    5.治療結果
    (1回目) 脈診と腹診、および問診等から体と病、および十二経の「陰陽虚実」を診て治療方針を決定。鍼で全身の経絡調整を行い、治療を開始。よく体質改善と言われる が、妊娠がなかなかできないのは、その原因となる『病因』が必ずあります。その病因を治すことが目標です。この患者様の場合、子宮内膜症(卵巣チョコレート嚢胞)と子宮筋腫(子宮線筋症)、および卵巣嚢腫の治療をして『瘀血を治す』ことが妊娠できる近道だと考えます。また、これらに伴って基礎体温を安定させることが大切です。
    (4回目)子宮付近が、お腹を抱え込む程にギューと痛かった。生理痛とは違う痛みであった。2時間後に排便があって、急に治った。生理はなかった。排便痛も無い。
    (5回目)同じ治療方針で鍼治療継続。現在、高温期である。基礎体温が一定になってきた。瘀血の痛みが減少してきた。病院で卵巣を超音波診断で診察したところ、卵巣の大きさが2ヶ月前の10月(治療開始1ヶ月前)は6〜7cmであったものが、今12月は、5.3cmになっていた。瘀血の痛みは弱くなった。
    (8回目)足の指を自力ではほとんど動かせなかったのに、母趾・次趾・中趾が反るように動かせるようになった。
    (9回目)さらに、足のすべての指が動くようになった。瘀血は痛くない。
    (14回目)同じ治療方針で鍼治療継続。翌年、3月に病院で再度、超音波検査をしてもらった。卵巣は左右とも大きさが3cmで正常だった。12月に卵巣嚢腫のようなものもあったが、今はこれが嚢腫かなという程度で十分確認できなかった。子宮筋腫は筋層内に1cmほどのものが1個あった。病院で来月に採卵をすることになった。
    (15回目)遠方よりの通院で、採卵のために1ヶ月間、鍼灸治療を休んだ。再来院10日前に病院で採卵をした。2個採卵できたが、胚盤胞まで分割しなかったので凍結保存しなかったようだ。この後、生理があったが、月経血がさらさらの鮮血だった。以前は黒ずんでいて、固まりもあった。
    (17回目)疲れ易かったが、このところ体の調子が良く、急に元気になったとのこと。今後は暫く自然妊娠も目指すことにした。
    (20回目)鍼 治療継続。このところ、基礎体温が低温期に36.0~36.1度だったのが36.4~36.5度に上昇した。また、高温期に36.7~36.7度だったの が37.0度まで上昇した。生理周期は24日。舌の裏の血管が、これまで色が黒く太い血管であったが、鍼治療を進めるにつれて、次第に肌色の血管に変化し きれいになった。これは瘀血が治癒したといえる。それにともなって、卵巣チョコレート嚢胞は治癒したと考えられる。冷たかった手掌が温かくなった。排便が1日1〜2回あり体調が良い。
    (24回目)患者様の母上から「顔色が最近、良くなった。何かしているのか」と問われたそうだ。「鍼をしている」と答えたとのこと。鍼治療継続。瘀血の脈状はなくなっていた。
    (30回目)鍼継続治療。これまで食事中、汗を全くかかなかったが、汗が出るようになった。体が体温調節できるようになったと考える。これまでは、皮膚の汗腺(皮毛とい う)を調節することがうまくできなかったが、治療によってできるようになり、体質改善している。これから採卵をするが、遠方のため、ほぼ1ヶ月鍼灸治療を休むことになった。
    (31回目)病院で胚盤胞を1個、採卵できたという結果をいただく。鍼治療継続。
    (37回目)来月、胚移殖のため、鍼灸治療を休む申し出があり、ここで中断した。
    この後、体外授精の移殖を実施。妊娠の陽性反応がでたと喜びの連絡があった。4週と3日であった。患者様の都合にて、治療は今回で終了した。

    翌年、3,300グラムの元気な男の赤ちゃんが誕生したと、お写真と共に連絡を受けました。
    患者様は、卵巣の子宮内膜症である「卵巣チョコレート嚢胞」や「子宮筋腫」などがあり、瘀血の症状が出ていました。また、基礎体温も正常ではありませんでした。しかし、鍼灸治療でそれらを根本治癒させることによって、40歳を超えての妊娠が可能になったと考えます。

    あん鍼灸院で『不妊症』が治った【治験例まとめ1】
    あん鍼灸院で『不妊症』が治った【治験例まとめ2】
    あん鍼灸院で『不妊症』が治った【治験例まとめ3】

    「あん鍼灸院の治療方針」
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